私が高校生の頃は、ヤンキーが全盛で、かつパンクに出会ってしまったために、髪を立てて変形学生服を着るという大変奇抜な出で立ちで過ごすことになり、おかげでそれ以外がすっぽりと抜け落ちて、そのまま見失ってしまった。そこにあったはずのものこそ『20歳の国』なのだ。私は当時見えなかったリアリティに触れたくて、歪なままの記憶を少しでも滑らかにしたくて、『20歳の国』を見続けるのだ。

作家・せきしろ

キラキラしたリア充でもなく、ルサンチマンを溜め込んだ非モテでもない。『20歳の国』が描くのは、これまで“普通の人”として名前を与えられることのなかった男女の物語だ。しかし、これを観れば普通の人なんてどこにもいないことがわかる。『20歳の国』の舞台は本当に生々しい。登場人物として立っているのか、一個人として立っているのか、よくわからなくなるほど役と俳優が溶け合っている。だから彼らが繰り広げる恋愛模様はものすごく気恥ずかしい。まるで日曜日の夜に駅の改札でケンカしているカップルを見つめ続けているような気分になる。気恥ずかしいのはそこに自分自身を見てしまうからかもしれない。他人事にさせてくれない。その他大勢に埋没させてくれない。こんなにも人間の恋愛をガン見できる機会は滅多にないと思う。　　　　　　　　　　　　　　　　　　

桃山商事 清田代表

サマデーナイトフィーバー。

タイトルの段階で既に青くさい。

しかも青春群像劇集団、『20歳の国』の作品となれば一筋縄ではいかないのは必至だ。

理想を持ってる奴はいつも眩しい。

でも大人になると現実の強さを知り、理想を心の奥底に隠してしまう。

そんな僕らに『20歳の国』はいつも「大人でも理想を持っていいんだよ」って痛いほど語りかけてくる。サマデーナイトフィーバーは、きっと僕らの心に光を灯してくれるだろう。

フォーエバーフィーバー！

フリサト 水本有